今回は7月中旬〜8月上旬、
梅雨が明け、8月に入り夏の暑さが極まるこの時期に、銘にできる言葉を集めました。
(二十四節気では「小暑」「大暑」のころ)
7月〜8月・晩夏に使える季節のことば
白南風(しらはえ):夏の季語
本来の「温風(おんぷう)」は、あたたかい南風のこと。
夏の季語にもなっています。
梅雨のはじめ頃は「黒南風(くろはえ)」中頃は「荒南風(あらはえ)」終わり頃は「白南風」。
暗くどんよりと感じられた風が、次第に軽くなり白い光をはなっているよう。
風の色を感じることばで、自然とともに生活していた日本人らしい表現です。
雲の峰(くものみね)
夏の雲の特徴で、千変万化、白く大きな雲が青空にぐんぐんのぼっていく様子。
これは積乱雲で太陽の日射が強い時に生じます。
真っ青な空に大きな白い雲が浮かんでいるのは、夏の景色の代表格。
大きなモコモコの入道雲は夏の風物詩ですよね。
とくに俳句では、入道雲のことを「雲の峰」といいます。
日輪草(にちりんそう)
日輪草とは、向日葵(ひまわり)のこと。
「日輪」とは太陽のことで、ひまわりは英語でもsunflowerといいます。
花姿からもみえるように、太陽の花ですね。
百日紅(さるすべり)
「百日紅」は漢名です。
花が百日も咲き続けるといわれるように、長い期間楽しませてくれる花。しかも、その花期は夏の盛りのもっとも暑い時期です。
和名の由来になったのは、猿も滑るというつるつるの木肌。
青い空に薄紅色の花が映えるのは、夏の景色ですね。
夕顔(ゆうがお):夏の季語
ウリ科の夕方になると白い花を咲かせ、翌朝にしぼむ花。
花のあとには、丸い大きな薄緑色の実を結び、この実からは干瓢ができます。
「淋しくもまた夕顔のさかりかな」(夏目漱石)
草熱れ(くさいきれ)
生い茂った草むらが、強い陽射しに照らされて放つ、むせかえるような熱気が「草熱れ」です。「草の息」とも呼ばれます。
他にも、蓮見・祭笛・夕立・宵涼み など
茶杓とは?
茶杓とは茶道で使う道具。
茶器に入ったお茶をすくって、お茶碗に移すときに使います。
お茶道具には、お茶碗や茶杓などに銘がついてるものがあります。
お茶会などで使われる道具には大体銘がついています。
作者の想いだったり、道具の形に由来していたり、季節のものだったり。
お稽古では、銘を自分で考えてつけます。
これは季語や和歌に歌われるような言葉や、
禅語を覚えるための良い練習になります。
参考にしている書籍
季節のことばについては、以下の書籍を参考にしています。
さまざまな季語の本がありますが、「二十四節気と七十二候の季節手帳」は、きれいなイラストと、書かれていることばの解説が丁寧なので好きな本です。
「茶の湯の銘 大百科」はその名の通り、百科事典としてお茶をしている人なら手元に置いておくと参考になる書籍です。
五十音順、月別、道具別、四季別と、銘の引き方も多く、ぱらぱら見ているだけでも美しい日本語を知れて勉強になります。
高価ですが、それだけ本当にたくさんのことばが載っているのでおすすめです。