【仲冬】12月中旬〜1月上旬につかえる茶杓の銘(季節のことば)
今回は12月中旬〜1月上旬、
雲が空を覆うように重く垂れ込め、山には雪が降り始めるこの時期に、銘にできる言葉を集めてみました。
(二十四節気では「大雪」「冬至」のころ)
大雪(たいせつ):冬の季語
二十四節気の一つ。太陽の黄経が225度の時をいい、陰暦十一月。
太陽暦の12月8日ごろにあたる。節気「大雪」は、冬将軍到来の季節。
年の暮(としのくれ):冬の季語
年末、歳暮、一年の終わりのこと。
「年の瀬(としのせ)」も類語です。
一年の節目の年末で歳末大売り出し、新年の準備などに忙しくなる時期のこと。
神楽(かぐら):冬の季語
古代に発祥したもっとも伝統的な神事芸能。
宮中の賢所ではこの頃、御神楽がおこなわれたそう。
古くは「神遊び」といわれ、神自身が舞うことです。
冬至が近づき、太陽の光が衰えるとともに魂の力も弱まると考えられたこの時期に、神楽をおこない英気を養っていたのですね。
冬ざれ(ふゆざれ):冬の季語
初冬、「冬になれば」という意が含まれています。
冬枯れのひっそりした、ものさみしい荒涼たる景色を表現するときに使います。大雪の最候、七十二候「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」ころにぴったりです。
猩々木(しょうじょうぼく):
猩々木はポインセチアの和名。
「猩々」は体じゅう赤い毛でおおわれた想像上の動物だそう。赤いものにはよくこの名がつけられました。ポインセチアの別名は「クリスマス・フラワー」で、この時期を彩ってくれます。
他にも、冬篭り・南天・数え日 など
茶杓とは?
茶杓とは茶道で使う道具。
茶器に入ったお茶をすくって、お茶碗に移すときに使います。
お茶道具には、お茶碗や茶杓などに銘がついてるものがあります。
お茶会などで使われる道具には大体銘がついています。
作者の想いだったり、道具の形に由来していたり、季節のものだったり。
お稽古では、銘を自分で考えてつけます。
これは季語や和歌に歌われるような言葉や、禅語を覚えるための良い練習になります。
季節のことばについて参考にしている書籍
季節のことばについては、以下の書籍を参考にしています。
さまざまな季語の本がありますが、「二十四節気と七十二候の季節手帳」は、きれいなイラストと、書かれていることばの解説が丁寧なので好きな本です。
「茶の湯の銘 大百科」はその名の通り、百科事典としてお茶をしている人なら手元に置いておくと参考になる書籍です。
五十音順、月別、道具別、四季別と、銘の引き方も多く、ぱらぱら見ているだけでも美しい日本語を知れて勉強になります。
高価ですが、それだけ本当に多くのことばが載っているのでおすすめです。