【初春】2月上旬〜3月上旬につかえる茶杓の銘(季節のことば)
今回は2月中旬〜3月上旬、立春が過ぎて寒さの中にもあたたかい日差しを感じるこの時期に、銘にできる言葉をあつめてみました。
(二十四節気では「立春」「雨水」のころ)
風待草(かぜまちぐさ):春の季語
東から吹いてくる春を告げる風、東風(こち)が氷を溶かしはじめる立春。
東風を待って咲く「梅」のことを、「風待草」と呼ぶんだそうです。
梅や鶯は、春のはじめのアイコンのような存在で、見かけると春の訪れを感じられますよね。
薄氷(うすらひ・うすごおり):春の季語
蹲踞(つくばい)や水たまり、小川などに薄い氷がはること。
特に春先に気温が下がって薄く張る氷をさします。
また、厚く張っている氷が溶けて薄く残っている状態をいう場合も。
下萌(したもえ):春の季語
冬枯れている大地の下で地表の雪が溶け、草の芽が萌え出ていること。
または、ぽっぽっと青い草の芽が萌え出てくること。
春の到来を表現するときに使います。
光の春(ひかりのはる):
まだ寒いこの季節ですが、光はきらきら輝き、春を感じます。
そこで、この時期のことを「春の光」といいます。
日は長くなり、空も明るさを増していく時期ですね。
「春の光」は、春の景色や春の風光をさします。
木の芽(このめどき):
木々が新しい芽を吹く頃を「木の芽時」といいます。
地面からも草の芽が顔を出す時期ですね。
春霞(はるかすみ):春の季語
おなじ空気中の水蒸気でも、春には霞、秋には霧と呼び分けます。
夜になると「朧(おぼろ)」という表現に。
他にも朝霞、夕霞、薄霞など。
他にも、浮氷・雪間草・ひな祭り・ 春泥・春の雪 など
昨年の初春の記事とは違うことばをセレクトしたので、ぜひ昨年の記事も見てみて、自分の好きなことばを探してみてください。
茶杓とは?
茶杓とは茶道で使う道具。
茶器に入ったお茶をすくって、お茶碗に移すときに使います。
お茶道具には、お茶碗や茶杓などに銘がついてるものがあります。
お茶会などで使われる道具には大体銘がついています。
作者の想いだったり、道具の形に由来していたり、季節のものだったり。
お稽古では、銘を自分で考えてつけます。
これは季語や和歌に歌われるような言葉や、
禅語を覚えるための良い練習になります。
季節のことばについて参考にしている書籍
季節のことばについては、以下の書籍を参考にしています。
さまざまな季語の本がありますが、「二十四節気と七十二候の季節手帳」は、きれいなイラストと、書かれていることばの解説が丁寧なので好きな本です。
「茶の湯の銘 大百科」はその名の通り、百科事典としてお茶をしている人なら手元に置いておくと参考になる書籍です。
五十音順、月別、道具別、四季別と、銘の引き方も多く、ぱらぱら見ているだけでも美しい日本語を知れて勉強になります。
高価ですが、それだけ本当にたくさんのことばが載っているのでおすすめです。