今回は11月中旬~12月上旬、
立冬を過ぎ、朝夕に冬の気配がし始めるころ銘にできる言葉を集めてみました。
(二十四節気では「立冬」「小雪」のころ)
時雨(しぐれ):冬の季語
時雨とは、晩秋から初冬にかけて一時的に降ったり止んだりする雨のこと。
初時雨は立冬の後はじめて降る雨をいいます。
晩秋に降る時雨は「秋時雨」として、晩秋の記事で紹介しています。
冬紅葉(ふゆもみじ):冬の季語
紅葉が美しいのは晩秋ですが、冬になっても錦木など紅葉を留めているものがあります。
冬紅葉とは、残る紅葉ともいえます。
山茶花(さざんか):冬の季語
「山茶」は、椿の漢名。
今では区別されている椿と山茶花ですが、昔からよく混同されていたそう。
花ごとぽとりと落ちるのが椿で、花びらがはらはらと散るのが山茶花。
雪中花(せっちゅうか):
清楚な香りを放つ水仙の異名。
雪の中でも香り高く咲くので「雪中花」という異名も持っています。
普通、水仙は早春に咲くものが知られていますが、早咲きのものは十一月頃から咲き始めるといいます。水仙は冬の季語。
風花(かざはな):
北国や山岳地帯から初雪の便りが次々と届く頃。
風下の地域では、風に運ばれてきた雪のかけらがちらちらと舞うことがあります。
これが「風花」です。儚く消える雪片に付けられた美しいことば。
他にも、百合鴎・雪蛍・木の葉時雨・ 橘 など
茶杓とは?
茶杓とは茶道で使う道具。茶器に入ったお茶をすくって、お茶碗に移すときに使います。
お茶道具には、お茶碗や茶杓などに銘がついてるものがあります。
お茶会などで使われる道具には大体銘がついています。
作者の想いだったり、道具の形に由来していたり、季節のものだったり。
お稽古では、銘を自分で考えてつけます。
これは季語や和歌に歌われるような言葉や、禅語を覚えるための良い練習になります。
季節のことばや季語についての参考書籍
季節のことばについては、以下の書籍を参考にしています。
さまざまな季語の本がありますが、「二十四節気と七十二候の季節手帳」は、きれいなイラストと、書かれていることばの解説が丁寧なので好きな本です。
「茶の湯の銘大百科」はその名の通り、百科事典としてお茶をしている人なら手元に置いておくと参考になる書籍です。
五十音順、月別、道具別、四季別と、銘の引き方も多く、ぱらぱら見ているだけでも美しい日本語を知れて勉強になります。
高価ですが、それだけ本当にたくさんのことばが載っているのでおすすめです。