今回は4月中旬〜5月上旬、
桜の季節も終わり新緑がまぶしくなるこの時期に銘にできる言葉を集めました。
(二十四節気では「清明」「穀雨」のころ)
花筏(はないかだ):春の季語
川面に散った花びらが連なって流れるさまが筏のようという意。
散る花の美しさと無常さを人の心に刻みます。
鳥風(とりかぜ):春の季語
日があたたかくなり、雁が北へ帰っていくころ。
夏場はシベリアへ、また秋には日本へ渡ってきます。
鳥の群れがはばたく羽音が、風の鳴るように聞こえ、鳥風と呼ばれます。
沈丁花(じんちょうげ):春の季語
春の町にどこからともなく甘い香りを漂わせる沈丁花。
秋の金木犀と並ぶ、春の代名詞とされる花です。
その強い芳香を香木の「沈香」とスパイスに使われる「丁子」にたとえて名付けられました。
宵の春・春宵(よいのはる・しゅんしょう):春の季語
宵というのは、夜がそれほどふけていない頃のこと。
花は清らかに香り、月は朧にかすむ春の宵。
日中はあたたかくても夜は少し冷えます。
春の宵という言葉があてはまる風情は、春も終わりに近づいた頃でしょう。
八十八夜(はちじゅうはちや):春の季語
「八十八夜」は立春から数えて八十八日目の夜のこと。
毎年5月2日頃で、もうすぐ初夏を迎える時期です。
米という字は、八と十と八を重ねてできあがることから、
縁起の良い農の吉日だとされています。
他にも、白詰草・牡丹・芳草・蝶々・夏近し など
茶杓とは?
茶杓とは茶道で使う道具。
茶器に入ったお茶をすくって、お茶碗に移すときに使います。
お茶道具には、お茶碗や茶杓などに銘がついてるものがあります。
お茶会などで使われる道具には大体銘がついています。
作者の想いだったり、道具の形に由来していたり、季節のものだったり。
お稽古では、銘を自分で考えてつけます。
これは季語や和歌に歌われるような言葉や、
禅語を覚えるための良い練習になります。