監督川瀬直美
キャスト樹木希林 永瀬正敏
ほか
制作年2017年
制作国日本
上映時間113分

解説
どら焼き屋「どら春」の雇われ店長として日々を過ごしていた千太郎。ある日、店で働きたいという老女、徳江が現れ、彼女が作る粒あんの美味しさが評判を呼んで店は繁盛していく。しかし、徳江がかつてハンセン病を患っていたという噂が流れたことで客足が遠のいてしまう。ちいさなどら焼き屋を舞台に、徳江と店長、どら焼き屋に通う中学生のワカナのそれぞれの生活、こころの揺れ動きを描く。

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この世にあるものはすべて、言葉をもっていると私は信じています。

公開当時は川瀬直美監督と樹木希林さんで
話題になっていたのは記憶にありますが
未見の映画でした。
家族がDVDを借りてきたので観ましたが..
じわじわと、とっても良くて、2回観ました。

観るぞ!と意気込まなくても
自然と見入ってしまう作品。

日本映画らしい、
淡々と静かに語りかけてくるような、
登場人物の心の機微を感じる、
美しい映画です。

テーマは遣る瀬ないのに、
美しい映像と
樹木さん演じる徳江さんのかわいらしい人柄のせいか
重々しい空気はなく、あっという間の2時間弱です。
  

映画の中の1つひとつの風景は、丁寧であたたかく、
すっと自然に見入ってしまいます。
全編にわたる、光の取り入れ方がとてもきれいでした。
早朝、夕方、木漏れ日、月の光。

徳江さんは
自然の声に耳を澄ませて、生きているひと。
千太郎への手紙の中で、
この世のものはすべて言葉をもっていて、
日差しや風に対してでさえ、
耳を澄ますことができるのではないか
と書いています。

キラキラとした木漏れ日に手を振って、
小豆の声をききながら、あんをつくる徳江さん。

わたしたちは周りの美しいものを、
全然見れていないのではないかと、ふと思います。
表面だけをみて、本当のことは見れていない。

徳江さんのお友達を市原悦子さんが演じていますが、
この後半のシーンも、とても良くて、優しい..

最後、徳江さんの背景を知ると、
今までの行動や言葉が、
もっと熱をもって見えて、聞こえてきます。

小さくてあたたかい、たからものみたいな、
そんな映画でした。

©︎2015 映画『あん』製作委員会/COMME DES CINEMAS/TWENTY TWENTY VISION/MAM/ZDF-ARTE
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